「地震被災建物修復の道しるべ」について

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「地震被災建物修復の道しるべ」について


「地震被災建物修復の道しるべ」について

鳥取での地震が発生し被害が報告されています。お見舞い申し上げます。
今回も歴史を積み重ねてきた建物が傷ついています。

平成16年の今日中越大震災が発生しました。
中山間地を襲った最大震度7を記録した地震は、地域の歴史を積み重ねてきた多くの建物をこの地から失う引き金になりました。

その2年9か月後に発生した中越沖地震でも、伝統的な日本家屋の多くが被害を受けました。風と火災に備えていた柏崎の中心市街地では、土煙を立てて多くの土蔵が倒壊しました。

大きな地震が起こると、少なからず歴史を積み重ねてきた証人たちが姿を消していきます。

今熊本へも建物と、歴史とこれからの未来を守るために、技術者が現地に入られているとお聞きしています。建物を復旧するための多くのノウハウを持ち込んでいます。
この地震被災建物「修復の道しるべ」は、新潟市の修復建築家である長谷川さんが取りまとめられました。
地震発生から半年がたつ熊本でも、中越沖地震の時と同様に精力的に建物の修復にアドバイスされているものと思います。

歴史的な建物は住む人にとっては不便だったり、古い建物よりも新しい建物に対してあこがれる人たちも多いでしょう。
ですが時間の積み重ねによってつくられてきた歴史は、その町々にとって大切な土地の記憶です。この記憶を伝えるのが、伝統的な住まいであると思います。これらを一斉に失ってしまったとしたら、町は記憶喪失になってしまいます。

土壁が落ちてしまうと、もう修理できない、もう済むことができないと考えてしまう方が多いと思います。でも、家は修理できるんです。持ち上げたり、移動したりして修理することもできるのです。

この本は、住まいを修理し、生活再建への選択肢を増やすための道しるべでもあると考えます。

この書籍は、図書館やメモリアル施設、もちろん「まちから」でご覧いただくことができます。

急いで壊す必要はありません。
直せる建物も多くあります。いざ災害にあってしまったときには、焦らない勇気も必要です。
そして、事前に直せることを知っておくことが重要です。

そして「まちから」も歴史的建造物を活用しながら次世代につなげています。町の歴史を途絶えさせず、次世代に紡いでいくことも、被災地にとっては大切な復興の一つであると考えています。

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