展示品紹介

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ーなつかしの玩具玉手箱ー
【9】かなかんぶつ
 古来男の子の節句人形で一番の人気者は金太郎でした。郷土玩具としては京都伏見や宮城県堤の金時土人形、埼玉県鴻巣の練り物の熊金、熊本県の張り子のお化け金太などがあります。
 写真は山梨県甲府地方の節句用武者人形「かなかんぶつ」です。山梨県は郷土玩具の比較的少ないところといわれていますが、全国に類をみないという白塗りの甲府達磨とこのかなかんぶつは特筆すべきものでしょう。「金兜」「金甲」と書いて「カナカンブツ」と読ませています。別名をオカブトサンと呼ばれているように、甲冑(かっちゅう)すなわち鎧(よろい)兜(かぶと)のことであるとおもわれます。張り子の武将面の頭部に王将の駒を乗せ、その左右に厚紙製の鍬(くわ)形を配し、面の下には鎧垂れがつけられています。それらを台木につけてたてかけます。大きいものは長さ二メートルにもなりました。五月五日の端午の節句に男の子のいる家に贈りました。武田信玄公の姿をうつしその武勇にあやかりたいという親の願いを具現化したものです。
 江戸時代武家の鎧兜飾りに対して町方はこれを飾りました。座敷縁側をいっぱいにし、その数の多いのが誇りでした。

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