展示品紹介

  展示品紹介


  展示品紹介
ーなつかしの玩具玉手箱ー
【8】爬龍船
 南国沖縄は守礼の邦(くに)です。武器を持たないことを国是とした琉球王国は日本と中国に対して二正面外交を展開して国の平和を守ろうとしました。玩具の世界でも日中双方の文化を取り入れ異国情緒あふれるものを作りました。
 かつて沖縄にはユッカヌヒー(四日の日)といって旧暦五月四日から五日間那覇市内の孔子廟前の通りにイームリン(玩具市)が立ちました。男児のいる家庭では「馬乗童子」「爬龍船(はーりーせん)」を女児には「ウメバーグ」をこの市で買い与え、わが子のすこy健やか成長を願う習慣が古くからありました。馬乗童子はその昔、那覇で行われた競馬の典儀にむかう馬上の琉球王の姿を模したもの、またウメバーグは千代紙を幾何模様に張り合わせた木箱で紙ビナを入れたりママゴト遊びに用いました。
 写真はその爬龍船です。旧五月五日に行われた那覇村、久米村、泊村三村での、競漕行事の船を玩具化したものです。船首と船尾に龍頭の大飾りを付けているのでこの名が生まれました。本来は豊漁祈願のための儀礼でした。写真の青の龍頭は大和、黄のそれは唐をあらわし、もう一艙黒の龍頭があり、それが琉球をあらわしていたそうです。

コメントを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です