展示品紹介

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―なつかしの玩具玉手箱―
【27】チャグチャグ馬
 全国に小京都といわれるところがいくつかあります。そのひとつ
でかつて南部藩十万石の城下町、岩手県盛岡市周辺にこの「チャグ
チャグ馬」はあります。岩手山を望むこの地方は、むかしから南部
駒の産地として名高く、源義経の愛馬や源平合戦宇治川の先陣争い
に活躍した馬など歴史的な名馬を多く産出しています。また、馬を
家族のようにあつかう民家の「曲がり屋造り」も有名です。馬にち
なむ習俗や行事も多く馬の玩具類もさまざまなものがあります。
 江戸時代南部藩では、名馬を奨励し、優秀馬を産出した農家では
旧暦五月五日、端午の節句に、いっさいの農作業を休み、この日を
馬の安息日とする行事がありました。当日は幕府の馬揃えにも当た
るので、それぞれ自慢の愛馬に色とりどりの布や鈴を付けて飾り、
馬の守護神とされている岩手県横沢村の蒼前(そうぜん)神社に参
けいしました。
 チャグチャグとは、馬蹄(ひずめ)の響きに和してなる鈴の音を
表しています。この馬の盛装した姿を写して昭和の初期、玩具化さ
れました。
 ほかにも南部小絵馬、板馬、先陣駒、忍び駒などがあります。旧
暦で行われていたこの伝統の儀式は現在では六月十五日となり郷土
の名物行事として人々を集めています。

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