展示品紹介

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展示品紹介


展示品紹介
―なつかしの玩具玉手箱―
【33】柴又の引き猿
 葛飾の経栄山題経寺というと首をかしげる人も多いですが、「寅
さんシリーズ」の柴又の帝釈天といえばすぐわかるほど東京では親
しまれている寺院です。柴又駅で下車すると、柴又帝釈天参道の門
前通りがあり、江戸の名残と下町情緒をただよわせた街があります
この帝釈天の参けい土産として、写真の「弾き猿」をはじめとして
「木猿」「ご幣猿」があります。猿は帝釈天のお使いなのです。五十
センチほどの竹の上端に、表に寺紋、裏に「柴又」と書いた桃色の菱形
板をつけ、短冊が下げてあります。さらに風車や吹き流しが付いて
いたのもありました。竹の棒には輪切りにした筒が通してあり赤い
猿を抱かせてあります。竹の下部の竹弓を指で弾くと猿が勢いよく
跳ね上がります。
 同寺の縁起によれば、安永八(1779)年のお堂修理の際、本堂棟上
から、失われていた帝釈天の板本尊が発見されました。この日が庚
申(こうしん)に当たり、これを縁日として参けい人を多く集めた
ということです。庚申は干支でいう猿などで、この引き猿は、災や
厄を弾き去るというご利益がありました。幕末のころに創始され、
明治の中ごろから土産物とし登場しました。六十日ごとのくる庚
申は当時の人々にとって楽しい参拝の日でした。

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