展示品紹介

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展示品紹介


展示品紹介
―なつかしの玩具玉手箱―
【35】箱根の山駕籠
 東海道で難所と云われたのは、箱根八里と島田宿、金谷宿間
の大井川渡河でした。大井川は西国外様大名から江戸を守る最
前線でしたし、箱根の山は最後の砦でした。幕末の陸海軍奉公
小栗上野介が、攻め寄せる薩摩長州勢をこの山にこもって防ぐ
べきだ、と主張したほどの天下の険です。
 神奈川県足柄下郡箱根町の土産物玩具に「山駕籠」がありま
した。竹に蔓を編んで網代の屋根をつけ、赤い座布団を敷いて
あります。明治時代日本を訪れた外国人の箱根遊覧にも使われ
ました。大正十五(1926)年刊の「日本土俗玩具集」第三集に「
東海道中の難所である箱根山路を越える時用いた山駕籠を玩具
とした」とあります。
 かつては湯本、塔の沢、強羅でも製作販売していました。箱
根電車が強羅まで開通、山駕籠の需要が大涌谷・強羅間の往復
に限られたのにともなって、これを写した郷土玩具は昭和五十
年代に一時復活しましたが、ほとんどは戦前に終わりを告げて
います。写実的な復元は かつてのにぎわいを伝えています。
 童謡「おさるの駕籠屋」は「日暮れの山道、細い道、小田原
ちょうちんぶらさげて」と歌って登った山は箱根の山かもしれ
ません。

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