展示品紹介

5390b0fa800135dfee21

 展示品紹介


 展示品紹介
―なつかしの玩具玉手箱―
【41】松山の武者人形
 徳島の阿波でこ(首人形)、静岡のいちろんさん、佐渡のの
ろまを日本の「三でこ」といいます。浄瑠璃で使われる人形
の玩具化です。享保三(1718)年に野呂松勘兵衛が創始したと
いわれるこの野趣に富んだ首人形は、浄瑠璃の盛んな四国で
は自然に子供たちの世界にも入っていきました。
 松山の武者人形は鎧(よろい)人形、また道後でことも呼ば
れています。首、胴は土製で、鎧の袖(そで)、垂れなどは木
綿の端切れを用い、金、銀、赤、青色などの紙の衣装をつけ
た二十センチほどの人形です。頭は加藤清正や豊臣秀吉など
の武者を主として十二種類ほどあり、これを差し替えて遊び
ました。また人形の両手についている竹くしを動かして、浄
瑠璃芝居のまねごとをしました。
 松山城は独立丘陵勝山山頂にある平城です。ここは徳川家
康ゆかりの久松松平氏の城下町ですが、この武者人形もこの
城に求めることができます。藩祖松平定勝の長子で若くして
亡くなった定吉をしのんで、この人形は作られました。
 松山市内の東雲神社の摂社豊阪神社にこの人形を奉納する
と、子供が健康に育つといわれています。古今に例を見ない
珍しい男の子の着せ替え人形です。

コメントを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です