展示品紹介

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展示品紹介


展示品紹介
―なつかしの玩具玉手箱―
【大垣の鯰抑え】
 臨済禅の公案に「瓢箪鯰(ひょうたんなまず)があります。禅宗
京都五山第二位相国寺の僧如拙は室町将軍足利義持の求めに応じ、これを「瓢鯰図」という絵にしました。この禅のテーマがどういうわけか大垣市の祭りの山車を飾ることになります。さらにこれがカラクリ仕掛けの祭礼玩具になりました。
 戸田氏十万石の城下町大垣の十町が、氏神の八幡社へ山車十台を寄進し、五月十四、十五日の大垣祭りが始まりました。この山車の一台に、道外坊山車、俗に鯰山車があります。これは、道外坊と呼ばれる人物が瓢箪を手に鯰と向き合っています。カラクリ仕掛けで動くのが名物でした。玩具はこれにちなんで明治の初めごろ考案された糸操り人形の一種です。糸を引くと台上の赤頭巾の道外坊と鯰がクルクル回ります。
 この意味するところは、鯰を天災に、瓢箪を人の力にたとえたものといわれています。まじめな顔をして、人力ではいかんともしがたい天災に立ち向かっているところが、なんともユーモラスです。この人物は根気のよいことで知られる鎌倉武士・青砥藤綱といわれています。戦前に一時廃絶しました。この玩具が私たちに語るものは何なのでしょう。

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