展示品紹介

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―なつかしの玩具玉手箱―
【49】千葉の七夕馬
 江戸時代、七夕祭りは格別盛大に行われていました。そのころは、今のように子供たちが自分の願い事を短冊に書いてつるすというよりも、大人が具体的な技の向上を願う行事だったようです。
 房総一帯、茨城の水郷地帯、さらには利根川水系の群馬、埼玉などの関東の七夕行事としてマコモで牛馬を作り、屋根に供える風習がありました。「七夕馬」あるいは「まこも馬」といいます。潮来地方のように、この牛馬で天の川を渡る、または、屋上に供えて七夕の索牛星にその年の豊作祈る、という言い伝えもありますが、多くは索牛織女の七夕伝説とはあまり関係ありません。
 これらの馬は子供たちを主役にした七夕盆の精霊迎えの民族行事の道具でした。この馬を引いてお盆の墓参りをし、あぜ道の草を刈って背負って帰り、笹につり下げて家の前に立てました。マコモは水辺に群生するイネ科の大型多年草です。七月七日が近づくと大人たちはマコモを刈り、雨や夜露に当てないようにして青々と干し上げ、前日までに子供の数だけ馬を作りました。ワラ馬は全国各地にありますが、マコモの馬はこの当たりだけです。すべての行事が終わると、この七夕馬は子供たちのおもちゃになりました。

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