西山の生きた民話

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西山の生きた民話


西山の生きた民話
【灰爪のお天狗さん】灰爪(はいづめ)

灰爪と上山田の間にある「稲葉山」には、昔から天狗が住んでいて、大きな木の上から人々の暮らしを見守っていた。

あるとき、村一番の貧乏だけれど、とても正直で真面目な夫婦がいた。
長男に嫁が決まり、祝言までいよいよ一週間となった。
しかし、貧乏ゆえにお客様を迎えるお膳やお椀が揃えられない。

思い悩んだ夫婦は、もう天狗さんにお願いするしかない、と稲葉山を上り、『お膳とお椀をお貸しください。必ずお返ししますから』とお願いし、帰って行った。

翌朝、とにかく天狗さんのところへ行ってみようと、恐る恐る夫婦で訪れると、そこには立派なお膳とお椀がきちんと揃えて置いてあった。
丁寧にお礼を言って、持って帰ろうとした夫婦に、『用が済んだら必ず返すように』という天狗の声が響いた。

はたして祝言は滞りなく済み、夫婦はお膳とお椀をそっくりそのままお返しした。

その後も、そんなことが何度となく繰り返され、誰がどんなことをお願いしても、天狗さんとの約束を守りさえすれば、必ず叶えてくれると、村人たちの間で伝えられるようになった。

しかしそのうち、心の卑しい人が、天狗さんからの借り物を返さないということがあった。

天狗さんは怒って、それ以降は村人たちがどんなに丁寧にお願いしても、願いを叶えてくれるどころか、品物さえも貸してくれなくなってしまった、という。

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